坂本です。個人にとって稼ぐ力となる4つのスキルがあります。マーケティング、セールス、コピーライティング、スピーキングです。
この4つの能力があれば、あなたも会社をクビになろうが一生食っていけます。
僕は2010年に新聞社を辞めて独立。この4つを学んできました。新聞記者は上記4つの能力は限りなくゼロなのです。
とても大変な時期もありましたが、本当に独立してよかったな、と思っています。
僕もまだまだ4つの能力は成長途上ですが、この4つのスキルのおかげで、自由に旅しながら稼げて暮らせています。
さて、その4つの中でもとりわけ「セールス」はまだまだだと感じていまして、和田裕美さん新刊「YESの9割はフロントトークで決まる!」(日本経済新聞出版社)を読みました。
「そうか!」という気づきがいくつもありました。特に印象に残った話をここでシェアしたいと思います。
1 「相手を知ることが商品知識」
まず、和田さんは「相手を知ることが商品知識」と指摘します。
あなたがセールスをする際、自分が売る商品の知識が十分あることは、当たり前中の当たり前ですね。
ですが、ここで非常に重要なことはあります。
お客様は十人十色。お客様が欲しい情報もみんな違う、ということです。
どうしても、セールスする時って、「これがいいですよ!」と自分目線で語りがちです。
しかし、人によって響く部分は、微妙に違うわけです。
だから、今目の前にいるお客さんが欲している情報はなんなのか?これを探ること。
その上で、その結果に応じて、伝えるべき商品情報をピックアップするということ。
ということは、
・どんなお客様にも対応できるように、あらゆる想定をして準備し、「なぜあなたの商品が他よりもいいのか?」という情報を提供できるか?
これも商品知識なんですね!
自分は果たしてどれだけ、お客様を知ろうとしていたかな?と振り返る気づきをもらえました。
2 「今はいらない」という人が最高の見込み客
これも目からウロコでしたね。
お客さまには3つの段階があります。
1)今すぐ解決したい
2)そのうち解決したいな
3)別に必要ないけど、もっとこうなったらいいな
なので、それぞれのお客様の状態に応じて、セールスのアプローチは変える必要があります。
あ…これも自分はできていなかったな、と反省。
しかし和田さんの指摘はここにとどまりません。
1)の「すぐに欲しい人」には、余裕を持って売らない
とあります。え?1)の「今すぐ客」に売る、というのがセールスのセオリーじゃないの??とびっくり。
和田さん曰く、こういう方は、「自分の意思で選び、自分で決断できる人」。競業他社とあなたを比較しています。
だからこそ、余裕ある態度で対応するのが良い。
この余裕ある態度が、「商品への絶対的な自信」を示すものとなります。
さて、「今はいらない」という人が最高の見込み客、という話。
お客様全体のうち、8割がこの「そのうち」と先送りしている人たちです。
ここで、非常に印象的な言葉がありました。
・営業とは、お客様の「いつか」を「今」に変える仕事
これは実に素敵な定義づけですね。
自分の身に振り返ってみても、新しいことを始めたり、新しい世界に足を踏み入れたりする時は、勇気がいります。
だって、人は誰でも変化が怖いから。
その時に、背中を押してくれる存在がいてくれたら、非常にありがたいですね。
人は、成長することを運命付けられています。しかし、変化は怖いですよ。そこでどうしても躊躇する。
そこで人の背中を押して新たな一歩を踏み出す手助けができるのなら、結果的にその人の人生を劇的に変えてしまう可能性があります。
これだけの可能性が営業・セールスにはあるということですね。
だから和田さんは、「いつか」というお客様に買うという決断をしていただけたら、お客様も喜びますし、すごく楽しい営業ができると言っています。
僕自身、2年前に脳の手術をして死を覚悟し、「やっぱり人生は先送りしてはいけない」と痛切に感じました。
「ああ、あれもやりたかったしこれもやりたかったな、やっときゃよかった・・」。1人で白い病室の天井を見上げ、本当に切ない気持ちでした。
幸い生きられて良かったのですが、またいつ死ぬかわかりません。
人生のカウントダウンは今この瞬間も進んでいます。だから、みなさんにもやりたいことを先送りして欲しくない、という気持ちは強いです。
3 フロントトークで「即決」の促しをする
商品説明や金額を伝えない段階で、「今日、決めてくださいね」とまず言っておく。
これを最初に読んだときは、「えー、それは無茶でしょ!」と思いました。
しかし、読み進めていくに従って、「なるほど」と納得間に変わって行きました。
和田さんの真意は、決してガツガツと契約を迫る、ということではありません。
むしろ逆。
まず、「今日、決めてくださいね」と伝える前提として、必要なことがあります。
・「相手にとことん興味を持って、相手のことが知りたくて知りたくてたまらない」
こういう状態に自分をしておきます。
相手に徹底的に寄り添い、相手が良くなることを願う。
その思いはきっと、そのお客さんに伝わることでしょう。
「あ、この人は本当に自分のことを思って言ってくれているんだな」
そして、先延ばしにせずに「今」始めることこそ、その人のためになる、と強く願う結果
「先送りにしないで、今決めましょう」
という言葉が出る。
すると相手も、「そうだな、この人を信じてやってみよう!」と決断してくれるというわけですね。
「じっくり考えてみてくださいね~」と言うのは、一見、相手を思いやっているようですが、実は違う。
「あんまりあなたに関心ないんですよ」と言う思いが、相手に伝わっているのではないか?
と気づきました。
クロージングを迫るのは、売り手にとっても勇気がいります。
でも、そこから逃げちゃいけないんですね。
自分は逃げない。だから、あなたも逃げずに決断してくださいね。
それが「今日決めてください」というフロントトークになると言うことですね。
これはとても深い話で、僕にとって大きな気づきでした。
まとめ
この本はまだまだ、ここで紹介しきれないほど、たくさんの学びがあります。
営業本はあまり読んできませんでしたが、結局は人間心理の話なので、学ぶのはとても面白いですね。
売れるセールスのコアの部分は、「相手に強い興味・関心を示すこと」だと思います。
そのために、どんどん相手に質問をしてその人よく知ること。
いや、「知る」くらいじゃ甘い!
とことん興味を持って、相手のことが知りたく知りたくてたまらない!
こういう状態になるということ。
だから、
「聞いて、聞いて、聞いて、話す」というリズム。
こうして相手のことを知っていくのがフロントトークの基本、ということでした。
和田さんの本はこちらです。おすすめ★★★★です。